イタリア・アパート探し記【7】〜内見①〜

4月上旬、初めての内見にこぎつけました。

「こぎつけた」と大げさに言うのは、数日前、不動産ポータルサイト(immobiliare.it)にアップされてまだ数時間の物件広告に問い合わせたら「もう決まってしまいました」と断られ、恐怖したからです。

アパート探し記【6】〜数時間で削除される物件広告〜

この経験を踏まえ、多少自分の条件を満たしていなくても気になる物件には、広告がアップされてからできるだけ早く問い合わせるようになりました。

「仕事は何ですか?」

電話をし、内見が可能かどうかを聞くと、

● 何人で住むつもりか
● 仕事は何か

という質問を受けました。

仕事については「契約社員ではなく正社員」などと入居者の条件を指定している物件広告もよく見ます。

今回の広告には特にそういった記載はなし。

「ボローニャの個人事務所で日本語を教えている」と説明すると、その場でネット検索して私のサイトを見つけたようで「ああ、これね」などと言われ、その場で断られることはありませんでした。

今回のアパート探しで懸念していたことの1つがこれ。

貸す側からしてみれば、個人事業主よりも、安定した収入が見込まれている「正社員」に住んでほしいと考えるのはまぁ仕方ないこと。

なので、即座に断られることも想定していましたが、今回は大丈夫だったようです。

「明日の朝、折り返します」

「内見のスケジュールを調整して明日の朝、こちらから折り返します」

と言われました。電話応対はまともだし、感じもいいです。

で、次の朝。

12時まで待っていましたが電話がかかってこないので私からかけました。

前日と同じ男性が出て「今ちょうど電話しようとしていたところです」。

日本であれば信頼を損ないかねない対応ですが、イタリアではこれぐらいは良くあること。

内見のほうはセッティングしてくれたのでOKです。

しっかりした段取り

直接アパートの前で待ち合わせ。ちゃんと時間通りに来ました。

内見の案内は、電話で話した人とは別の男性。

その人の連絡先も事前にwhatsappで送られてきており、段取りはしっかりしています。

この男性にしてもきちっとスーツ着用している点といい、にこやかに礼儀正しく接してくる感じといい、ちゃんとしている不動産会社という印象。

そういえば、前日にチェックしたこの不動産屋のサイトも、他に比べてかなり整っており、物件の写真だけではなくYoutube動画まで掲載してありました。

物件の動画を自社サイトにのせている不動産屋は、まだここしか見たことがありません。

いざ内見

このアパートの良い点は、

❶ ボローニャ中央駅から近い
❷ リビングと寝室がしっかりと分かれている(ワンルームではない)
❸ ベランダ付き
❹ クーラー付き

今回のアパート探しの中で気づいたのは、床面積35〜40㎡あって二部屋に分けられる広さでも、オープンスペースタイプのワンルームが多いこと。

なので、2部屋に分かれているのは自分の条件に合っています。

そして、❸については、窓だけでベランダがないアパートが多数あるのでこれも良い点。

駅近 = 環境が悪い

マイナス点は、まわりの環境です。

こちらでは、鉄道駅の周辺はいつも物騒な環境のため、駅近ということに日本ほどの価値はありません。

このアパートは駅から7〜8分で、物騒というほどでもないのですがやはり殺風景ではあります。

ですが、ミラノ、フィレンツェ、ヴェネツィアに90分以内で行くことができ、空港行きモノレールも乗り入れているボローニャ駅に近いというのは魅力であることも確か。

そして、家賃。

設定していた上限ぎりぎりぐらい。

であるからには、すべての条件を満たしてほしい。

しかし、そもそも条件を全て満たすなんて事はあり得ないのではないか。ここはかなりいい線いっているのはないか。

いろいろな考えが頭をよぎります。

「明日までに連絡してください」

内見時間は10分ぐらい。

この後の流れについて聞くと、まずは確定申告書を提出し(収入証明のため)、他にもいる入居希望者の中から大家さんが審査して選ぶ、とのこと。

考える時間は何日あるか聞くと、

「明日の夜までに決めて、確定申告書を送ってください」

少なくとも2〜3日は猶予があるものと予想していたので「これほどまでとは‥」という思い。

借りたがっている人は幾らでもいるからこそ「即断できなければお引き取り下さい」が通用してしまう完全な貸し手市場。

借りる側はたった1日で決断を下し、さらに、他にもいる「候補者」の中から選ばれなければなりません。

実質的には書類審査

大家さんは内見に居合わせていないので、「候補者」の中から入居者を選ぶのは、実質的には書類審査に近いものと推測します。

基本的な属性(入居人数、性別、年齢、職業、出身地)と、経済的信頼性(=収入)で決めるということでしょう。

ダブルインカムの夫婦やカップル、イタリアでは数が多い弁護士や会計士などの高収入な専門職などが他の候補者にいたとしたら、私を選ぶ理由がありません。

面接のように、大家さんが対面で会って人となりを見るというのであれば、まだワンチャンスありそうですが、収入額は見繕いようがありません。。

1日で決められませんでした、と連絡

内見を終え、階段を下り、エントランス付近で不動産屋の人に挨拶して別れました。

そこには女性が1人立っており、どうやら次の内見者のようです。

こんな風に15分おきぐらいに内見の案内をしているのであれば一体「候補者」が何人いるのだろう、と恐ろしくなりました。

初めての内見でもあるし、1日で即断できるほどには気に入ったわけでもなかったので、翌朝whatsappで断りの連絡をいれました。

返事はありませんでした。

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