最近は1日に何回も immobiliare.it をチェックしています。
immobiliare.it は不動産広告のポータルサイトで、小さい不動産屋、全国チェーンを持つ大手、個人の宅建士などから多くの物件広告が集まっています。
このサイトで物件を探していると、ある1つの不動産屋が自分の条件に合ったアパートを多く持っていることに気が付きました。
ところがこの不動産屋の物件広告は↓こんな感じで、
Googleマップからの写真しか載せていません。これではどの建物かも分からないし、部屋の写真もありません。
「我々は不動産屋ではない」
この、Googleマップの写真しか載せない不動産屋は「Trova Affito」。
紹介ページを見てみると、
「私たちは不動産屋ではありません。契約手続きに関するサポートはありませんが、そのぶん仲介手数料なども頂きません」
などとあります。
物件広告だけを管理し、貸主と借主を引き合わせるだけ。契約については両者だけでやってください、というシステム?
彼らの物件で1つどうしても気になるものがあったので、直接話を聞きに行ってみることにしました。
一応、実店舗を持っており、ボローニャ駅の近くにあります
早口でまくしたてる
店名をカラープリントしたものを窓に貼りつけ、まにあわせで事務所にしたような店構え。
狭い店内には簡易テーブルが3つ、女性が3人います。
「ちょっと聞きたいんですが」と挨拶すると、1人が「まずはシステムを説明します」。
この人がとにかく早口で、ときおり無理やりつくったような笑顔を浮かべながら説明。
● 我々は物件を紹介し、大家さんの連絡先を教えるだけ。
● 契約には関わらず、そのため仲介手数料も発生しない。
● まずは登録料(€250)を払う。
● 登録すれば物件の写真を見せます。大家さんの連絡先も教えます。
私が確認のため「もしそちらが紹介した物件の中に契約まで至らなかった場合でも、当然250ユーロは戻ってこないんですよね」と聞こうとすると、
「私たちは多くの物件を提供するから見つからないなんてことはない」
と、食い気味にカットインしてきました。
大家さん側は手数料ゼロで委託
こちらでは日常生活の多くの場面で「客への応対がしっかりしていて気持ちいい」と感じるケースのほうが珍しいので、なぜか攻撃的に早口でまくしたてるこの人に対しても、特に腹も立ちません。
だいたいこんなものだろう、と。
ただ、その場で登録料を払うことはしませんでした。
店を後にして、ネットでもう1度この不動産屋の紹介ページを見てみると、
「物件の持ち主(大家さん)は、手数料ゼロで我々に委託できます」
とありました。
通常、大家さんが借主を探すときは、手数料を払って不動産屋に委託するわけですが、その手数料をもらいませんと言っているのがこの「Trova Affito」という会社。
なるほどなぁと感心してしまいました。
大家さん側としては無料で委託できるので、この「Trova Affito」に多くの物件が集まってくるのでしょう。
そしてその物件をポータルサイトに掲載するとき、部屋の写真はあえて出さない。
家を探している側は、部屋の写真を見るためには登録料を払わなければならない。
登録料250ユーロは安くはないが、ふつうの不動産屋であれば発生する契約成立時の報酬(イタリアの場合家賃1年分の10%)がないので、やむを得なしと考えて払うかもしれない。
通常の住まい探しのスキを巧みについたやり方ですが、アコギとまで言えないし、それなりに筋は通っているという気がしました。
ミラノの友人に聞いていみる
ミラノに、数年前アパート探しをした友人がいるので、このことを聞いてみました。すると、
「ああ、知っているよ。ミラノにもこの『Trova Affitto』の店舗がある」
と、彼は実際に登録料を払ったと言います。
最終的には別の不動産屋で見つけたアパートに決めたそうですが「一応、信頼できるはず」という評価。
これを聞いて安心し、近いうちに登録料を払ってこよう、と思いました。
しかしこの数日後ぐらいに、ポータルサイト casa.it に新しくアップされた広告に、目を引く物件がありました。
この物件広告は不動産屋ではなく、個人によるものでした。
そしてこの物件が詐欺広告とわかるのに1週間近く費やしてしまうことになります。
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