イタリアでは、来るべき「ガス不足の冬」に、バカンス開けの9月からもう戦々恐々です。
日本の本州で、
● 冷房なしの夏
● 暖房なしの冬
という究極の選択を迫られたら、後者を選ぶ人のほうが多いのではないでしょうか。
年々厳しさを増している猛暑をエアコンなしで過ごすのはもはや不可能に思えます。
ヨーロッパの場合、反対に、暖房なしの冬というのは考えられません。
イタリアでも未だに冷房設備のない家はいくらでもありますが、暖房設備はデフォルトで必ずついています。
「デフォルトの暖房設備」というのはこの写真のようなもので、どんな家にも、トイレやシャワーと同じように、必ずこれが付いています。
そしてこの暖房はガス暖房です。
冬場は基本的にこのガス暖房が常時オンになっていて、一定の室温を保てる仕組み。
なので、朝寒くてベッドから出られない、ということもなく快適です。
ただし、常時オンのため、1月、2月あたりのガス代はとても高い。。
なので、ただでさえ冬のガス代は嵩みます。
そこへきて、エネルギー不足問題。
「今年の冬のガス代は、50%値上がりする」
などという人もいて、今から戦々恐々とするのも無理ありません。
ノルドストリームからガス漏れ
連日、物価上昇やエネルギー関連のニュースが流れるのは日本以上です。
ロシアとドイツを結ぶ海底パイプライン「ノルドストリーム」からガス漏れ、という報道が9月末ごろありました。
この「漏れる」という言葉。
水道の水漏れ、機密情報が漏れた、とか本来はしっかり密封されているべき何かが外に出てしまう、というのが日本語のイメージ。
それにちょうどよく当てはまるイタリア語が自分にはぱっと思い浮かびません。
上の記事では「fuga」を使い、fuga di gas = ガス漏れ。
fugaという単語は、下のラベルで有名なシチリアのワイン生産者「donnafugata(逃げた女)」のイメージから、自分の中では逃げるという意味で固定されてしまっています。
fuga → 逃げる
fuga di gas → ガスが逃げていく → ガス漏れ
と意味は分かるのですが、日本語の「漏れる」という単語がもつイメージとはずれている感じがします。
水漏れ=水が滴り落ちる
水道の蛇口などからの水漏れ、の場合の「漏れる」については fuga を使わずに、
Il rubinetto gocciola
(rubinetto=水道の蛇口)
などと言っています。
gocciola は、gocciolare という動詞。
液体のしずくや一滴のことを goccia というので、gocciolare はそのしずくがぽたぽた垂れるという意味の動詞。
こちらの場合も、日本語の「漏れる」を別のアプローチで言い表しています。
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