【イタリア語で?】目をこする

ファビオさんの日本語レッスン中に、こんな文章を使って読解練習しました

これは黒目の部分の一番上の皮「角膜上皮」に何かの刺激で傷がついたり、がむけたりした状態です。
<中略>
ちょっと目が疲れたと思って目をこする人が多いですが、これが一番いけません。そのときは意識してまばたきをするのが良いでしょう

「N3読解」 Jリサーチ出版

このレベルでは日本語で解説したほうが訓練になるのでなるべく日本語で解説。ただ、この文章のようにテクニカルな話では必要に応じてイタリア語でも解説。

この中にいくつもイタリア語に訳しづらい言葉、日本語とイタリア語で合致しない単語がありました。


「皮」 人間の肌? 果物の皮? 動物の皮?

日本語の「皮」は指している範囲が広いです。

日焼けして皮がむけるのは人間の肌。

むいて食べるのは果物の皮。

焼き鳥のとり皮などは動物の皮です。

イタリア語では、人間や動物の皮は通常「pelle」。

動物の皮を加工して「革」になっても「pelle」のままでいい場合もあれば、なめした革のように「cuoio」と変わる場合も。

そして個人的にずっと覚えにくかったのが果物の皮「buccia」。

りんごの皮をむく、と言う場合、この「buccia(皮)」から派生したような動詞「sbucciare」を使います。

はじめは、「『むく』っていう動詞は何だ?」と考えてしまいましたが、そうでなくて、「皮」と「むく」が一体化したような動詞になっているわけです。

日焼けして「皮がむける」も同じで、この場合は人間の皮「pelle」から派生して「spellarsi」

La pelle si spella dopo l’abbronzatura
日焼けの後に皮がむける

目をこする

これも日常生活ではよくする動作ですが、イタリア語で何と言うかあまり考えませんでした。

何かの物体を(磨くために)こする、と言うときの「sfregare」を使って、

sfregare gli occhi
(目をこする)

でいいようです。

しかし、もっとこの動作に特化した動詞もあって、

stropicciare gli occhi
(目をこする)

こちらのほうがgoogle検索のヒット数が多いので、よく使われるのはこちらなのかもしれません。


足をひきずる

ここで、小学館 和伊中辞典で「stropicciare」を引いてみると、

stropicciare i piedi per terra
足をひきずる

という例文がありました。

頭に浮かんだのはもちろん今夏ハマった「ナポリの物語」。主人公エレナの母親は足が悪く、足をひきずって歩くという描写が何回か出てきます。

「母さんが足を引きずって歩く音がわたしは恐ろしかった」という部分を読み返してみると、

zoppicare

という動詞を使っていました。片足が不自由な人= zoppo なのでここから派生している動詞かと思われます。片足が悪い→片足をひきずって歩く

一方、前述の辞書の例文

stropicciare i piedi per terra

は、stropicciareが「摩擦させる」という意味であることから、足が悪いかどうかは関係なく摺り足で歩くようなイメージなのかもしれません。

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