【イタリア語で?】だらしない格好、ぼさぼさの髪、ボロ着

近所のFeltrinelli書店を通ると、ショーウインドウに日本の小説が大きく宣伝されていました。

2010年出版「森崎書店の日々」(八木沢里志)。

出版後10年以上経っており、なぜこのタイミングで翻訳されたのか分かりませんが、大きく宣伝されていることもあり結構売れているようです。

というわけで、日本語レッスンの教材に使ってみました。

神保町の古書店を経営する、主人公・貴子のおじの外見についての描写。

もじゃもじゃ頭に、フレームの太い黒眼鏡をかけ、少年のように小柄でやせた男の人。半袖のチェックのシャツに、だらっとした綿のズボンをはいて、サンダルをつっかけている。

「森崎書店の日々」小学館

もじゃもじゃ頭 くしで整えていないという解釈で capelli spettinati 。その意味でぼさぼさ頭も同じ。

小柄 「特別痩せているわけではないけど身体のつくりとして小さい」という場合の「体のつくり、体つき、体格」は、corporatura。なので文字通り訳すと、小柄=corporatura piccola ですが、本文では「小柄でやせた」とあるので、corporatura esile

だらっとしたズボン 「しわくちゃなズボン」と解釈すれば、pantaloni spiegazzati。アイロン前のしわしわのシャツなら、camicia spiegazzata。


だらしない格好

ここで、だらしない格好と言いたい場合どう表現するのか気になりました。

辞書を引くと、trasandato という形容詞が出てきます。

実際にどのように使われているか検索してみると、あるブログが出てきました。

普段は完璧な着こなしで人前に姿を表すハリウッドスターなどが、ゴシップ誌などにプライベート写真を撮られると、割とだらしない格好をしていて親しみを持てる、といった内容。

こういう文脈での「だらしない格好」。

イタリア語で、英語の「look」を、外見、身なり、服装といった意味で使っているので、

だらしない格好 look trasandato

となるようです。


ぼろ着を着る

ここで思い出したのが「ナポリの物語」(エレナ フェッランテ)で、ナポリの貧しい地区の子どもたちがいつも汚くてみすぼらしい格好をしているという描写が多いこと。

メリーナの子どもたちがぼろを着て不潔であったのに対し、リディアの子どもたちは清潔で、髪もきちんとしていた

「リラとわたし ナポリの物語1」第5章

I figli di Melina erano cenciosi e sporchi 「破れたりすり減った服を着ている」という形容詞が cencioso

なかなか使う機会が少なさそうな形容詞ですが、ここぞというときにこういう形容詞がスッと出るようになりたいです。

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