【pigolare】動物によって「鳴く」の動詞が違う

日本語のレッスンをしていると、ときどき「なんで日本語はこんなに語彙のバリエーションが多いの?」とこぼす人がいます。

 例えば、イタリア語に vita という単語があり、だいたい英語の life に当たるのですが、あるイタリア人の生徒が言うには、

「日本語には vita に当たる単語がゴマンとある!」

● 生活
● 暮らし
● 命
● 人生
● 生涯
● 寿命(平均寿命 = vita media)

もっと細かく類語を見ていけば、生命、一生、人命なんかもそうでしょう。

イタリア語なら全部「vita」で済むのに日本語だとこんなにたくさんの単語を覚えなくちゃならない‥‥というわけです。

猫が鳴く、カエルが鳴く、ひよこが鳴く!

こういう時に、そうだよね、でも頑張って覚えてね、と励ますだけでなく「言い返す」こともけっこう大事かなと思っています。

よくこんな風に返しています。

「でも、イタリア語だって、『鳴く』という動詞が動物によって違うよね? 

犬が鳴く= abbaiare、
猫が鳴く= miagolare、
鳥が鳴く= cantare、

こんなの日本人は覚えてられないよ」


日本人からすると、その使い分け要る? となりますが、他にもヤギ、カエル、カラス、ひよこ等によってもそれぞれ「鳴く」の動詞が異なります。

いや、ひよこって!と言いたくなりますが。。

あとで、英語でも(イタリア語ほどではないものの)動物によって「鳴く」が違うと知るのですが、こういう日本語には全くない発想に感心してしまい、ひよこが鳴く= pigolare をブログのURLとタイトルにしました。

どの言語もトータルで見ると同じように難しいのでは

日本人はよく、日本語について、3つの文字を使い分ける言語は類を見ないし難易度の高い言語だ、などと自画自賛(?)的なことを言います。

でも私はよく思うのですが、だいたいどの言語もトータルでみれば同じように難しいのではないでしょうか。

日本語は、主語による動詞の活用がなかったり(「私」でも「彼ら」でも「食べる」は変わらない)、漢字が難しいと言ってもひらがなでも書くことができるという点では中国語のほうがずっと難しいと言えます。

英語は、イタリア語を勉強した後では文法が幾分シンプルに見えるのですが、何しろ発音が日本人にとって難しい。。

反対に、文法がマニアックなのがイタリア語の難点ですが、発音についてはローマ字読みでほぼOKなので日本人にとってはかなり楽です。

イタリア人にとっての日本語学習アドバンテージ

何と言っても、イタリア人にとって日本語は発音しやすい。両言語とも母音をはっきり発音するからです。つまりローマ字読み。

発音に関して言えば、イタリア人にとって、日本語よりも英語やドイツ語などのほうがずっと難しいはずです。

イタリア人の日本語入門者に、日本語は難しいというイメージを少しでも変えるためによく話すことは、

● イタリア語は時制について細かく過去形が4種類もある。それに比べて日本語の過去形は「食べた」の1つしかない

● 日本語の単語に、男性/女性形はないし、単数/複数形もほとんど気にする必要がない。例えば「きのう友達と出かけた」と言ったとき、その友達は男友達かもしれないし女友達かもしれない、1人かもしれないし2人かもしれない。

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