学生の頃「英語なんか1年ぐらい英語圏に語学留学でもすればすぐマスターできるのに。。」などと思っていました。
今ではそんなにあまいものではないということがよく分かります。
こちらで生活するようになって約10年になりますが、いまだに映画を見ていても分からない会話があったり、しょっちゅう情けない思いをしています。
現地にいるということは、普通に生活しているだけでその言葉が入ってくるので、たしかに自然に覚えていく単語や言い回しもたくさんあります。
しかし、そこから先は自分から能動的に摂取していかないと、難しい単語や表現などはいつまでもたっても身につきません。
「現地で長く生活していけばそのうち自然に新聞だってすらすら読めるようになる」と思っていた自分の考えを改めさせてくれたのは、以下の作家のインタビューでした。
Aki Shimazaki
何年か前、大型書店のディスプレイ広告に東洋人女性の横顔がありました。
著者名を見ると、Aki Shimazaki。
本の題名は「Il peso dei segreti(秘密の重さ)」で、出版元は吉本ばななや三島由紀夫の本も出している大手出版社のFeltrinelli。
この出版社から出ているからには、かなり売れた本か有名作家のはずですが、自分は知りませんでした。
調べてみると、カナダ在住の日本人女性で、フランス語で小説を書き、文学賞を受賞。
1954年岐阜県生まれ
1991年からモントリオール在住
2005年「Hotaru」でカナダ総督文学賞(Prix du Gouverneur-Général)受賞
おどろいたのは、現地で生まれ育った日系カナダ人ではなく、日本語が母語の作家というところです。
40歳で初めてフランス語を学び始めた
さらに調べていくとインタビュー記事が見つかり、その中の一節がとても刺さりました。
そして大きな転機となるのが1995年、当時40歳の島崎さんは生まれて初めてフランス語の勉強を始める。
独学で6ヶ月間、文法を学んだ後、州政府主宰のフランス語学校Katimavikで文法のコースを10ヶ月間受け、作文・聞き取りを集中的に学ぶ。
中略
「大人になってから学ぶ言葉をパーフェクトに習得するのは無理ですよ。今でも辞書を引きながら新聞を読んでいます。でも、毎日が勉強なので退屈することがないですね」
と微笑む島崎さんの日課は毎朝2時間ぐらい辞書を引きながらLe Devoir(フランス語の知的派新聞)を読むことだそうだ。
http://www.from-montreal.com/people/043.html
40歳で学び始めた外国語で小説を書き、しかも文学賞まで受賞してしまうほどの人でも、毎日2時間、新聞を読んで勉強を続けている。。。
私などが「長く生活していれば自然と難しい単語なんかも身についていくさ」などと高を括っている場合ではないと思いました。
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そんなわけで、日々イタリア語に接する中で気づいたことを学んだことをこのブログに書いていこうと思っています。
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